川崎の住宅

流れの屋根がつくる新しい「環境の間」

 

 
 

川崎市の緑豊かな丘陵地の頂に立つ住宅である。周辺のどの建物よりも頭ひとつ出た高台となっているため、30代の施主夫婦は開放的な暮らしを望んでいる。環境に寄り添った暮らしができるよう、半分包んで半分開くような空間を目指している。 日本の神社建築の1つの様式であった流造りを現代建築の住宅に新しく援用する。屋根から庇まで長さ7mにおよぶ登り梁を流れるように架け渡す。庇を深く葺き下ろし、自然を切り取った借景の場をつくるのではなく、むしろ庇を南側へ迫り上げ風景に消していく。さらに、北側に伸び上がる天井もトップライトから空へ消していく。風の流れ、光の流れ、視界の流れをつくり、生活の流れ(シーン)を生み出していく。
居場所や視線の方向によって、天井高さや軒の深さが変化していくため、内外の境界が流動的になり、環境の断面に呼応して多様な場が喚起される。 この流れの屋根は、やさしく日傘をかけるように身体に寄り添いながら、空の下に「環境の間」をつくり出す。 


 

作品名

川崎の住宅

敷地面積

203.17 ㎡


所在地

神奈川県川崎市

建築面積

79.00 ㎡


主要用途

個人住宅

延床面積

110.25 ㎡


規模/構造

鉄骨造 2階建て

最高高さ

6.3 m